恩寵の扉が開くまで 完結編

(1)霊的なパワー

 {静謐で豊かな大自然に包まれたハワイ島は、私の新たな精神的探求のメッカとなりつつあった。

個人セッションの会場は前回と同じ場所だったので、セッションの続きを受ける感じで気軽にホールに入った。

半年ぶりのフーマンとの再会が嬉しかった私は、「ハロー!」と気軽に声をかけようとしたが思わず言葉を飲み込んでしまった。

フーマンの肉体には影がなく、さらに少し宙に浮いている感じがしたからである。

もちろんそれは私の錯覚だったのだが、そこにはフーマンという個人ではない何か大いなる存在が降臨していて、畏怖の念に打たれた。

だから挨拶も日常会話もなしに、いきなりセッションが始まった。

フーマンという肉体を通して、その大いなる存在がダイレクトに私に語りかけて来る。

フーマンの語る内容は前回と同じでも、その背後にある霊的なパワーに圧倒された。

言葉を通してエネルギーが伝達され、私は直ちにノーマインドのスペースへと押しやられた。}

フ:それでは、しばらく内側に入りなさい。

全てを置き去りにしなさい。

日本も、ハワイも、キヨタカも...

ただ「今」へ、完全に寛ぎなさい。

そして、あなたの自己(Self)を想い起こし始めなさい。

ただ自分自身を想い起こす。

スピリチュアルな旅を歩みながら、あなたは歳月を重ねるにしたがって、より深く自己の本性を想い起こす様になる。

あなたは、だんだんとそれに近づいて行き、自分自身を理解し始める。

最初は、イニシエーション(自己覚醒の伝達)がある。

次に、それを想い起こすワークがある。

さらに、あなた自身がそれへと変容して行く。

そうして、自分自身を領解(りょうげ)する事によって、この旅は完結する。

それが自己理解(Self-Realization)であり、悟りだ。

本当のあなたであるこの自己(the Self)が、あなたをここへと誘った。

それがあなたにスピリチュアルな道を歩ませ、やがてそれがあなたの実存となる。

そうなれば、もうキヨタカはいなくなり、唯一「これ」のみとなる。

キヨタカは、ただもっと「これ」に明け渡す。

ガイダンスに従い、いったいこの人生は何の為にあるのかを想い起こし、理解する。

この人生はキヨタカのものではない。

それは、「これ」のものだ。

外側の世界、キヨタカの世界、彼の過去と未来...。

それはカルマであり、幻想であり、夢だ。

この夢の中で、あなたの中のリアルなものが目覚める。

そしてそれが、あなたの実存となる。

キヨタカは、決してそれを見いだせない。

彼はただ恩寵を受け取るだけだ。

「これ」が目覚めるという恩寵を...。

そしてキヨタカは、ただ「これ」に明け渡す。

今からのあなたの人生は、「これ」に対する明け渡しのステージとなる。

残りの人生全てがそのステージだ。

いくつもの層を一つずつ手放して行きなさい。

やがてキヨタカは存在しなくなり「これ」だけが在る。

キヨタカが悟りを得る事はない。

彼はただ、リアルなものの中に明け渡す。

そしてそのリアルなものが「今」となる。

それが彼の実存となる。

私の役割、私のワーク、私のあなたへのガイダンスは、全てそのレベルについてのことだ。

あなたを「これ」にもっともっと寛がせる。

そうして、あなたは「これ」となる。

あなたが来たのはこのためだ。

いや、あなたが来たのではない。

あなたはシンプルに呼ばれたのだ。

そうする事であなたの中のリアルなもの、つまり「これ」に対して一対一の個人的なレベルで働きかけられる事が出来る。

そしてあなたはガイダンスを受け取り、それを想い起こす。

「これ」は聖なるものだ。

それはリアルだ。

それは真実だ。

それは光だ。

それは意識だ。

それは様々な要素と名前を持つ。

しかしあなたはマインドを越えて、そのエッセンスを自分の内側に見いだした。

あなたが今生で出逢うもの、それはあなたの実存の源泉だ。

あなたの周りは全て、ただの夢だ。

日本、キヨタカ、家族、友人、リーラスペース...。

過去、未来、OSHO、アジズ、フーマン、悟り...。

この世で唯一のリアリティはあなたの内側にあり、「これ」がそれだ。

それが基本だ。

あなたのすべき事の全ては、ただ「これ」の中にもっともっと寛ぐ事だ。

毎年あなたはここ(ハワイ)へ呼ばれている。

日常生活を離れて、「これ」と再び整合して再び活性化される。

そうして、より「これ」となる様にイニシエートされている。

日本へ帰ると、さらに「これ」の中に明け渡し、溶け去り、変容が起こり始める。

ここ数年はずっとそのワークがなされている。

あなたが瞑想で坐ると、どんどんと目覚めが起こりつつある事を感じるだろう。

それは変容であり、あなたが知っている事を越えて、あなたの内側でいつも新しく物事が開き、新しい体験が起こる。

しかし、全てが「これ」に根ざしている。

ここ数年間はずっとそれが起こりつつある。

  

>>(2)唯一の使命